カスタマーハラスメント対策ガイドライン
ハイコムグループ(以下、「当グループ」という)は、お客様への誠実な対応と高品質なサービスの提供に努めるとともに、働く社員の尊厳と安全な就労環境を守るため、以下のとおりカスタマーハラスメント対策ガイドラインを定めます。
第1章 目的とグループ基本方針
1. 目的
ハイコムグループ(以下、「当グループ」という)は、お客様への誠実な対応と高品質なサービスの提供に努めます。
一方で、働く社員の尊厳と安全な就労環境を守るため、「社会通念上許容される範囲を超えた要求や言動(カスタマーハラスメント)」に対しては、個人の問題とせず、組織として毅然とした態度で対応することを目的とします。
2. 基本方針
- 組織的対応の徹底:カスタマーハラスメント対応を従業員個人の負担とせず、組織全体で防衛・対応する体制を構築します。
- 労働者の保護と安全確保:カスタマーハラスメントの被害から従業員の身の安全および精神的健康を最優先で保護します。
- 毅然とした姿勢の保持:不当な要求や過剰な言動に対しては、安易な謝罪や妥協を行わず、規約および法令に基づき毅然と対応します。
第2章 カスタマーハラスメントの定義と該当行為
当グループにおけるカスタマーハラスメントは、厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」に基づき、以下の9類型に分類・定義します。
1. 暴力型
- 定義殴る、蹴る、たたく、物を投げつける、わざとぶつかってくる等の行為を行う。
- 対応原則行為者から危害が加えられないよう一定の距離を保つ等、対応者の安全確保を優先する。警備員等と連携を取りながら、複数名で対応し、直ちに警察に通報する。
- 具体的な行為例
- 身体的攻撃・物品破壊:従業員に対する暴行・傷害、店舗設備や商品・備品の破壊・投げつけ。
2. 威嚇・脅迫型
- 定義「殺されたいのか」といった脅迫的な発言をする、反社会的勢力とのつながりをほのめかす、異常に接近する等といった、従業員を怖がらせるような行為をとる。または、「対応しなければ株主総会で糾弾する」「SNSにあげる、口コミで悪く評価する」等とブランドイメージを下げるような脅しをかける。
- 対応原則複数名で対応し、警備員等と連携を取りながら対応者の安全確保を優先する。状況に応じて、弁護士への相談や警察への通報等を検討する。ブランドイメージを下げるような脅しをかける発言を受けた場合にも毅然と対応し、退去を求める。
- 具体的な行為例
- 生命・身体・名誉への威嚇:脅迫、中傷、反社との関係を匂わせる言動。
- 動画・SNS拡散による脅迫:解約手続き等において自身の不当な要求を通すため、「納得がいかない。突撃YouTuberを連れてきて撮影し、ネットに動画を晒すぞ」等と動画投稿やSNS拡散を暗に示唆して脅迫する行為。
3. 権威型(土下座・不当要求・不当な金銭請求)
- 定義正当な理由なく、権威を振りかざし要求を通そうとする、お断りをしても執拗に特別扱いを要求する、または、文書等での謝罪や土下座を強要する。
- 対応原則不用意な発言はせず、対応を上位者と交代する。要求には応じない。
- 具体的な行為例
- 契約不理解による土下座・即時返金強要:契約内容の不理解から「騙して契約させたろ!解約金や頭金を全額返せ!」と店内で怒鳴り散らし、土下座や即時返金を強要する行為。
- 不備主張に伴う休業損害・日当請求および土下座強要:機器・サービスの不備等を主張し、「体調を崩して仕事に行けなかった。休業分の日当を払え」と不当な金銭補償を要求し、長時間にわたり土下座を強要する行為。
- 規定を超える過度な金銭補償要求:機器故障・障害時等において、あらかじめ定められた保証規約の範囲を超え、「損害をどうしてくれるんだ」と不当な金銭補償・損害賠償を要求する行為。
4. 暴言型
- 定義大きな怒鳴り声をあげる、「馬鹿」といった侮辱的発言、人格の否定や名誉等を毀損する発言をする行為。
- 対応原則大声を張り上げる行為は、周囲の迷惑となるため、やめるように求める。侮辱的発言や名誉毀損、人格を否定する発言に関しては、後で事実確認ができるよう録音し、程度がひどい場合には退去を求める。
- 具体的な行為例
- 電話口での人格否定・暴言:支払期日切れに伴う確認や各種案内等の電話対応の際、「バカじゃないの?」「お前は死ね!」など過度な暴言・人格否定を浴びせる行為。
- 利用停止に対する逆ギレ・大声威嚇:規約に基づく利用停止・制限措置に対し、「なぜ止めるんだ!商売の損害をどうしてくれるんだ!」と店頭や電話口で大声を出して怒鳴り散らす行為。
5. セクシャルハラスメント型
- 定義従業員の身体に触る、待ち伏せする、つきまとう等の性的な行動、食事やデートに執拗に誘う、性的な冗談といった性的な内容の発言を行う。
- 対応原則性的な言動に対しては、録音・録画による証拠を残し、被害者及び加害者に事実確認を行い、加害者には警告を行う。執拗なつきまとい、待ち伏せに対しては、施設への出入り禁止を伝え、それでも繰り返す場合には、弁護士への相談や警察への通報等を検討する。
- 具体的な行為例
- プライベート連絡先の執拗な要求:対応したスタッフに対し、契約や手続きとは直接関係のないプライベートの電話番号や連絡先をしつこく聞き出そうとする行為。
- 受付・案内対応時における氏名の侮辱・セクハラ:電話での受付・案内対応時、オペレーターの氏名や音声を侮辱・揶揄するセクハラ発言を行い、精神的苦痛を与える行為。
6. 時間拘束型
- 定義長時間にわたり、顧客等が従業員を拘束する。居座りをする、長時間、電話を続ける。
- 対応原則対応できない理由を説明し、応じられないことを明確に告げる等の対応を行った後、膠着状態に至ってから一定時間を超える場合、お引き取りを願う、または電話を切る。複数回電話がかかってくる場合には、あらかじめ対応できる時間を伝えて、それ以上に長い対応はしない。顧客等が帰らない場合には、毅然とした態度で退去を求める。状況に応じて、弁護士への相談や警察への通報等を検討する。
- 具体的な行為例
- オフィス内への無断侵入・居座り(不退去):手続きや対応結果に納得がいかないとして、「責任者を出せ」と強く要求し、アポイントなしでオフィス内へ無断侵入し、長時間にわたり退去に応じず居座る行為。
- 長時間の電話説教・終話拒否:正当な説明を行っているにもかかわらず納得せず、電話口で長時間の説教・持論の主張を続け、対応者が電話を切ろうとしても一方的に拘束し続ける行為。
7. リピート型
- 定義理不尽な要望について、繰り返し電話で問い合わせをする、または面会を求めてくる。
- 対応原則連絡先を取得し、繰り返し不合理な問い合わせがくれば注意し、次回は対応できない旨を伝える。それでも繰り返し連絡が来る場合、リスト化して通話内容を記録し、窓口を一本化して、今後同様の問い合わせを止めるように伝えて毅然と対応する。状況に応じて、弁護士や警察への相談等を検討する。
- 具体的な行為例
- 窓口を変えた連続入電・繰り返し要求:回答済みの案件や受付不可能な要求について、担当者や窓口を変えて何度も電話をかけ直し、現場業務を停滞させる行為。
8. 店舗外拘束型
- 定義クレームの詳細が分からない状態で、職場外である顧客等の自宅や特定の喫茶店などに呼びつける。
- 対応原則基本的には単独での対応は行わず、クレームの詳細を確認した上で、対応を検討する。対応の検討のために、事前に返金等に対する一定の金額基準、時間、距離、購入からの期間などの制限などについて基準を設けておく。店外で対応する場合は、公共性の高い場所を指定する。納得されず従業員を返さないという事態になった場合には、弁護士への相談や警察への通報等を検討する。
- 具体的な行為例
- 自社店舗・オフィス外への強引な呼び出し:事実関係が未確認の段階で特定の場所へ呼び出し、対応者を現地で長時間拘束しようとする行為。
9. SNS/インターネット上での誹謗中傷型
- 定義インターネット上に名誉を毀損する、またはプライバシーを侵害する情報を掲載する。
- 対応原則掲示板やSNSでの被害については、掲載先のホームページ等の運営者(管理人)に削除を求める。投稿者に対して損害賠償等を請求したい場合は、必要に応じて弁護士に相談しつつ、発信者情報の開示を請求する。
- 具体的な行為例
- ネット上での名誉毀損・プライバシー侵害:掲示板やSNSへの個人情報・誹謗中傷画像の無断投稿・晒し行為。
第3章 一次対応(現場対応)の基本ルール
現場でカスタマーハラスメントが発生、またはその恐れがある場合、従業員は以下の基本原則を徹底します。
1. 複数名対応・交代の徹底(一人で抱え込ませない)
悪質な兆候が見られた場合は直ちに店長・管理者に報告し、対応者を交代するか、必ず複数名で対応を行います。
2. 時間区切り・退去・終話の実施(15〜20分ルール)
不当な主張や膠着状態が15〜20分を超えた場合、理由を告げて「これ以上の対応はいたしかねます」と毅然と通話または面談を打ち切ります。
3. 検証可能な証拠化(録音・録画・記録)
暴言や過剰要求が発生した時点から、メモの作成、録音(または録画)を開始し、事実関係を時系列で正確に残します。
4. 限定的謝罪と即答回避
「ご不快な思いをさせたこと」への限定的なお詫びに留め、自社の過失が確定する前の金銭約束や安易な謝罪は絶対に行いません。
第4章 二次対応および体制(報告・相談フロー・相談窓口)
1. 報告・相談フロー
- 一次対応完結案件現場で解決した案件についても、所定の報告フォーマット(スプレッドシート等)に記録し、月次で集約を行います。
- 一次対応未完結・悪質案件現場で解決しない案件、警察通報を行った悪質案件、その他事業部責任者が必要と判断した案件は、直ちに「本社ハラスメント対策委員会」へ報告・相談して判断や指示を仰ぎます。
2. ハラスメント対策委員会の設置と役割
- 設置目的ハラスメントに関する事項を協議・統括し、現場対応で解決しない難易度の高い案件の最終受け皿として機能します。
- 役割
- ハラスメントの事実調査および対応策の決定
- 顧問弁護士や警察、取引先キャリアとの連携判断
- 被害者救済および再発防止策の策定
- 相談窓口の配置従業員が相談しやすい環境を整えるため、男女双方の相談窓口担当者を配置します。
第5章 相談者保護とアフターケア
1. プライバシー保護と不利益取扱いの禁止
- ハラスメント被害の報告・相談を行ったこと、および事実確認に協力したことを理由とする解雇その他の不利益な取扱いは一切行いません。
- 相談者および関係者のプライバシーは厳重に保護されます。
2. 被害者への配慮(メンタルケア)
悪質なハラスメント被害を受けた従業員に対しては、上司によるフォロー、精神的苦痛に配慮した異動・配置換、産業医・専門家との連携等、必要なメンタルケア措置を迅速に講じます。
